TAKAKUゼミナールのブログをお読みの皆様、こんにちは。

表の稲垣直剛(いながき なおたか)
です。


昨日は「朝(空腹時)の勉強が効く」という記事を書きました。

今日は、人によって意見の分かれる「勉強時に音楽を聴くのはアリか?ナシか?」について書きたいと思います


突然ですが、サウンドコンサルタント(そういう仕事があるんですね)のジュリアン・トレジャー氏によると、音が人に与える影響は4種類だそうです。詳しく書くと

①:生理的影響 ⇒ 人間のホルモン分泌、呼吸や心拍数、脳波などに影響を与えるもの。
例:警報ベル、アラーム音など

②:心理的影響 ⇒ 感情に直接影響を及ぼすための、最も効果的な手段となるもの。
例:音楽

③:認知機能への影響 ⇒ 複雑な音を聞き分けるなど、集中して音を選ぶ必要が生じる。
例:複数人で同時に話す、騒音の中から知人の声を聞き分ける

④:行動面への影響 ⇒ 人は不快な音を避け、快適な音を求める。(騒音にさらされ続けるなら健康を害する)
例:工事の音、雑踏など

となっています。


集中して勉強したいとき、何が気になるでしょうか。

家の中で聞こえるテレビの音。会話。料理を作る音。しばしば鳴る(震える)スマホ。

何気ない日常の(しかもほとんどは小さな)音が、集中力を妨げる「雑音」としてばかり目立つようになってしまいます。


人が聴覚で処理できる帯域は限られているため、こうした「雑音」があるときには生産性が著しく低下し、静かな部屋と比べると1/3まで減少するという実験結果もあります。

例えば、「ジャーナル・オブ・アプライド・サイコロジー」誌に掲載された実験では、40名の事務職の女性を「低レベルの音」に3時間さらし、別の40名は静かな環境で3時間過ごした後、同じようにパズルを解いてもらったそうです。

結果、静かな環境にいた被験者は熱心にパズルを解いたのに対し、雑音環境下に置かれた被験者は数回パズルに挑戦して諦めたとのこと。

また、実験者が「ちょっといい?」と声をかけただけで、集中力を戻すのに23分かかるというデータも出ています

音が人に及ぼす影響の大きさを物語っているといえるのではないでしょうか?

これではおちおち「勉強はかどってる?」とか「お茶飲む?」なんて声もかけられませんね


これが家であれば、ヘッドフォンをして、鳥の鳴き声などの「α波が出る音」を聞くことで対処できます。最近ならノイズキャンセリングヘッドフォンという選択肢もありますね。


ここで「音楽ではダメなのか」という疑問が生じます。


実は、単純な繰り返し作業をするときには、音楽がかかっているほうが効率が上がるという実験結果があります。画像や文字・数字への認識能力が高まり、処理が早くなるそうです。


ただし、「これまでに何度も繰り返して慣れている、得意な作業であれば」という条件付きです。(ドラマなどで、「お気に入りのクラシックを流しながら執刀する外科医」が描かれることがありますが、これは実際にパフォーマンスが上がるそうです)

つまり、初めてのことを覚えるために行う「書き取り」や「計算練習」には当てはまらないということになります。


結論:勉強中に音楽はおススメできません。自然音・環境音などのリラックス効果が高い音源にしておきましょう。


とはいえ、今回調べていく中で、面白い特性を持つ音楽のことを知りました。

数日中にそのことを記事にしようと思います。


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